顔の粉瘤のニキビとの見分け方、できてしまう原因、何科へいくべきか解説
「顔に小さいしこりができたけれど、粉瘤?」
「ニキビとの違いが分からない」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、顔にできた粉瘤の症例画像を紹介しながら、小さい粉瘤の見た目や他のできものと見分けるポイント、原因、治療方法、何科を受診すればよいのかについて詳しく解説します。
【症例画像】顔にもできる粉瘤の特徴と見た目

粉瘤(アテローム)は、顔にもできることがある皮膚のできものです。
初期の小さな粉瘤はニキビなどと見分けにくいことがありますが、大きくなると皮膚がドーム状に盛り上がったり、中央に黒い点のような開口部が見られたりすることがあります。
また、炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴うなど、通常とは見た目が大きく変化することもあります。
ここでは、顔にできた粉瘤の症例画像をもとに、大きさや状態による見た目の違いを紹介します。
小さい顔の粉瘤

顔にできた小さい粉瘤は、皮膚の下に小さなしこりがある程度で、見た目だけではニキビなどと区別しにくい場合があります。
触れると皮膚の下に丸いしこりを感じることがありますが、小さい段階では赤みや痛みがないこともあります。
「小さいからニキビだろう」と自己判断して潰すと炎症を起こす可能性があるため、なかなか消えないしこりや徐々に大きくなっているできものは皮膚科で診断を受けることをおすすめします。
中央に黒い点が見える粉瘤

粉瘤では、しこりの中央付近に黒い点のようなものが見えることがあります。
これは粉瘤の袋と皮膚表面につながる開口部が黒く見えているもので、粉瘤にみられる特徴の一つです。
ただし、すべての粉瘤に黒い点が見えるわけではありません。黒い点がないからといって粉瘤ではないとは判断できないため、ほかの症状とあわせて医師が診断します。
赤く腫れた・炎症を起こした粉瘤

粉瘤が炎症を起こすと、しこりの周囲が赤く腫れたり、痛みや熱感を伴ったりすることがあります。
さらに炎症が強くなると、膿がたまったり、粉瘤が破れて内容物が出てきたりする場合もあります。
このような状態で自分で強く押したり針を刺したりすると、炎症を悪化させる可能性があります。赤みや腫れ、痛みがある場合は自分で処置せず、医療機関を受診しましょう。
大きくなった顔の粉瘤

粉瘤は自然に消失するとは限らず、袋の中に角質などがたまることで徐々に大きくなる場合があります。
大きくなった粉瘤では、皮膚がドーム状に盛り上がり、顔の輪郭や見た目にも影響することがあります。
特に顔は傷跡が気になりやすい部位です。粉瘤が大きくなってから治療する場合は、状態によって切開範囲が大きくなる可能性もあるため、「小さいから大丈夫」と放置せず、気になるできものがある場合は早めに診察を受けることをおすすめします。
「見分けるポイント」は示しつつ、粉瘤以外でも似た所見があるため、最終的には診察が必要という着地にします。「大きくなったり小さくなったり」は誤解が出やすいので、中身が出たり炎症が落ち着いたりして一時的に小さく見えるケースとして説明します。
顔の粉瘤を他のできものと見分けるポイント
顔にできた粉瘤は、ニキビや脂肪腫など、ほかのできものと見た目が似ていることがあります。
粉瘤にはいくつか特徴的な所見がありますが、以下の特徴があるからといって必ず粉瘤とは限りません。あくまで見分ける際の目安として考え、正確な診断は医療機関で受けることが大切です。
皮膚の下にしこりがある
粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質などがたまって形成されます。
そのため、見た目では目立たなくても、触れると皮膚の下に丸みのあるしこりを感じることがあります。
ただし、皮膚の下にしこりができる疾患は粉瘤だけではありません。脂肪腫をはじめ、ほかの良性腫瘍などでもしこりを触れることがあります。
中央に黒い点・開口部が見えることがある
粉瘤では、しこりの中央付近に黒い点や小さな穴のような開口部が見えることがあります。
これは粉瘤にみられる特徴の一つですが、すべての粉瘤に確認できるわけではありません。
「黒い点があるから粉瘤」「黒い点がないから粉瘤ではない」と自己判断せず、しこりの状態なども含めて診察を受けましょう。
押すと動くように感じることがある
粉瘤は皮膚の下にしこりとして存在するため、指で触れた際に少し動くように感じる場合があります。
ただし、炎症や癒着などがあると動きにくくなることもあり、動くかどうかだけで粉瘤を判断することはできません。
また、確認するために何度も強く押したり揉んだりするのは避けましょう。刺激によって炎症を起こす可能性があります。
大きくなったり小さくなったりすることがある
粉瘤は袋の中に角質などがたまることで、徐々に大きくなることがあります。
一方、開口部などから内容物が出たり、炎症による腫れが落ち着いたりすると、一時的に小さくなったように見える場合があります。
ただし、小さくなったからといって粉瘤そのものが治ったとは限りません。皮膚の下に袋が残っていれば、再び内容物がたまって大きくなる可能性があります。
炎症を起こすと赤く腫れて痛くなることがある
粉瘤が炎症を起こすと、それまで痛みのなかったしこりが赤く腫れ、痛みや熱感を伴うことがあります。
炎症が強くなると膿がたまったり、粉瘤が破れて内容物が出たりする場合もあります。
ただし、赤く腫れて痛むできものは、ニキビや毛包炎、皮膚の感染症などでもみられます。見た目や症状だけで粉瘤と判断して自分で潰したりせず、赤みや腫れ、痛みがある場合は医療機関へ相談しましょう。
顔に粉瘤ができる原因
顔の粉瘤は、皮膚の下にできた袋状の構造の中へ角質などがたまることで形成されます。
「皮脂が多いからできる」「顔をきれいに洗っていないからできる」と思われることがありますが、皮脂の多さや不衛生だけが原因となってできるものではありません。
粉瘤ができる仕組みについて詳しく解説します。
皮膚の下に角質などがたまることで形成される
一般的な粉瘤では、皮膚の下に表皮に似た組織でできた袋状の構造が形成され、その中に角質などがたまっていきます。
袋の内側では角質が作られ続けるため、時間の経過とともに内容物が蓄積し、しこりが徐々に大きくなることがあります。
そのため、粉瘤は単純に「毛穴に皮脂が詰まったもの」ではありません。ニキビなどとはできる仕組みが異なります。
外傷などをきっかけに生じるタイプもある
粉瘤の中には、皮膚への外傷などをきっかけとして生じるタイプもあります。
けがなどによって表皮の組織が皮膚の内部へ入り込み、そこで袋状の構造を形成することで粉瘤が生じることがあります。
ただし、すべての顔の粉瘤が外傷を原因としてできるわけではありません。
はっきりした原因が分からないことも多い
粉瘤は、実際には「なぜこの場所にできたのか」という明確な原因を特定できないケースも少なくありません。
そのため、「洗顔が足りなかった」「皮脂が多かった」といった理由だけで粉瘤ができたと考える必要はありません。
また、清潔にしていれば必ず予防できるものでもありません。顔に治らないしこりや徐々に大きくなるできものがある場合は、原因を自己判断するのではなく、皮膚科などの医療機関で診断を受けることが大切です。
ここはCVに近いので、皮膚科・形成外科のどちらでも診療される一方、顔は傷跡への配慮や摘出経験も含めて選ぶという流れが自然です。
顔の粉瘤は何科を受診する?
顔に粉瘤と思われるしこりができた場合は、皮膚科や形成外科などを受診します。
「皮膚科は薬で治療するところ、形成外科は手術をするところ」と単純に分けられるものではなく、皮膚科でも粉瘤の摘出手術に対応している医療機関があります。
特に顔は傷跡が目立ちやすい部位でもあるため、粉瘤の診断だけでなく、摘出方法や術後の傷跡まで考えて医療機関を選ぶことが大切です。
皮膚科
皮膚科では、顔にできたしこりが粉瘤なのか、それともニキビや脂肪腫など別のできものなのかを診断します。
粉瘤の大きさや炎症の有無などを確認し、状態に応じて経過観察や治療を検討します。粉瘤の摘出手術まで行っている皮膚科もあります。
ただし、手術への対応範囲は医療機関によって異なるため、摘出を希望している場合は事前に確認するとよいでしょう。
当院では、皮膚科専門医である院長が粉瘤の診断から摘出手術まで対応しています。顔の粉瘤についても、大きさや部位、炎症・癒着などの状態を確認し、傷跡にも配慮しながら治療方法を検討します。
形成外科
形成外科でも粉瘤の診断や摘出手術が行われています。
形成外科は、皮膚のできものを取り除くだけではなく、手術後の傷跡や見た目にも配慮しながら治療を行う診療科です。
特に顔は傷跡が気になりやすいため、粉瘤の大きさや位置、炎症・癒着などの状態を確認したうえで、摘出方法や切開する位置などを検討します。
顔の粉瘤は傷跡まで考えて医療機関を選ぶ
顔の粉瘤を治療する場合は、「粉瘤を取れるか」だけでなく、傷跡への配慮も含めて医療機関を選ぶことが大切です。
粉瘤の手術では、皮膚の下にある袋を含めて摘出する必要がありますが、粉瘤の大きさや位置、炎症の有無、周囲との癒着などによって適した方法は異なります。
また、顔は額・頬・眉周辺・耳周辺など、できた場所によって皮膚の厚みや周囲の構造も異なります。そのため、顔の粉瘤の摘出経験があるか、傷跡に配慮した手術を行っているかなども確認しておくとよいでしょう。
顔の粉瘤についてよくある質問
顔の粉瘤についてよくある質問に回答します。
顔の小さい粉瘤は自然に治りますか?
粉瘤は、小さいものであっても自然に完全に治ることは基本的に期待できません。
内容物が外に出て一時的に小さくなったように見えることはありますが、皮膚の下に袋が残っていれば、再び角質などがたまって大きくなる可能性があります。
ただし、小さく痛みや炎症がない粉瘤を必ずすぐに摘出しなければならないわけではありません。状態によっては経過観察することもあります。
顔の粉瘤は痛くなくても取った方がいいですか?
痛みがない粉瘤をすべて摘出する必要があるわけではありません。
しかし、粉瘤は徐々に大きくなったり、途中で炎症を起こしたりすることがあります。特に顔は大きくなると見た目が気になりやすく、状態によっては治療時の切開範囲にも影響します。
大きくなってから治療しようとすると、切開幅も大きくなり費用も増え、患者様の負担が大きくなってしまいます。
気になる場合は、小さいうちに一度診察を受け、経過観察するか摘出するか相談するとよいでしょう。
顔の粉瘤を自分で潰してもいいですか?
自分で粉瘤を潰すのは避けてください。
強く押して内容物を出しても、皮膚の下に粉瘤の袋が残っていれば再び内容物がたまる可能性があります。また、無理に潰したり針を刺したりすると、炎症や感染を起こす原因になることもあります。
詳しく知りたい方は、「粉瘤を自分で潰す」の記事もあわせてご覧ください。
顔の粉瘤とニキビはどう見分けますか?
粉瘤では、皮膚の下にしこりを触れたり、中央に黒い点のような開口部が見えたりすることがあります。また、時間とともに徐々に大きくなる場合があります。
一方、ニキビは毛穴の詰まりや皮脂、炎症などが関係して生じます。
ただし、特に小さい粉瘤はニキビと見た目が似ることがあり、自己判断だけで正確に見分けるのは難しい場合があります。
詳しく知りたい方は、「粉瘤とニキビの違い」の記事もあわせてご覧ください。
顔の粉瘤は薬で治りますか?
薬だけで粉瘤の袋そのものをなくすことは基本的にできません。
炎症や感染を伴っている場合には、状態に応じて抗菌薬などが使用されることがありますが、これは粉瘤の袋を取り除く治療とは異なります。
粉瘤を根本的に治療する場合は、状態に応じて袋を含めて摘出する手術を検討します。
顔の粉瘤手術は痛いですか?
粉瘤の摘出手術は、一般的に局所麻酔を行ってから実施します。
麻酔の注射をするときに痛みを感じることがありますが、麻酔が十分に効いている間は手術中の痛みが抑えられます。
麻酔が切れたあとに痛みや違和感が出る場合がありますが、その程度には個人差があります。
顔の粉瘤手術は保険適用ですか?
粉瘤の診断を受け、治療として摘出手術などを行う場合は、健康保険が適用されます。
ただし、治療内容や医療機関によって取り扱いが異なる場合があるため、受診する医療機関へ事前に確認しましょう。
また、純粋に美容目的で行う処置とは区別して考える必要があります。
顔の粉瘤を取ると傷跡は残りますか?
皮膚を切開して粉瘤を摘出するため、基本的には傷跡が残ります。
ただし、傷跡の目立ち方は粉瘤の大きさや位置、炎症・癒着の程度、手術方法、術後の経過などによって異なります。
顔は特に傷跡が気になりやすいため、できるだけ傷跡に配慮して手術を行っている医療機関を選ぶことも大切です。
粉瘤を取った後はいつから化粧できますか?
化粧を再開できる時期は、粉瘤ができていた場所や傷の大きさ、縫合の有無、術後の状態などによって異なります。
傷口への直接のメイクは、傷が十分に閉じる前に行うと刺激になる可能性があるため、自己判断で再開しないようにしましょう。
傷口を避けた部分のメイクが可能な場合もあります。具体的な再開時期については、手術を受けた医療機関の指示に従ってください。
まとめ
粉瘤は顔にもできることがあり、小さいうちはニキビなどと見分けにくい場合があります。
皮膚の下にしこりがある、中央に黒い点や開口部が見えるといった特徴がありますが、見た目だけで粉瘤と断定することはできません。炎症を起こすと赤く腫れたり、痛みが出たりすることもあります。
当院では、皮膚科専門医である院長が粉瘤の診断から摘出手術まで対応しています。傷跡にも配慮しながら、粉瘤の大きさや部位、炎症・癒着などの状態に合わせて治療方法を検討します。
「顔のしこりが粉瘤なのか分からない」「小さいうちに粉瘤を取りたい」「できるだけ傷跡に配慮して治療したい」という方は、ぜひ一度当院へご相談ください。