「しこりがあるけど、これは本当に粉瘤?」
「粉瘤だと思って受診したら、違うできものと言われることはある?」
「粉瘤とニキビや脂肪腫はどうやって見分ける?」

皮膚や皮下にしこりができると、粉瘤を疑う方も多いのではないでしょうか。

しかし、粉瘤と似た見た目や触り心地のできものは複数あり、粉瘤だと思っていたものが別の病気だったということもあります。

この記事では、粉瘤じゃなかった場合に考えられるできもの・しこりの種類や見分け方、それぞれの治療方法について詳しく解説します。

粉瘤じゃなかった場合に考えられるできもの・しこり

「しこりがあるから粉瘤だろう」と思っていても、実際には別のできものだったということがあります。

粉瘤と似た見た目や触り心地になる病気は複数あるため、自己判断だけで見分けるのは難しい場合があります。

できもの・病気主な特徴粉瘤との違い
ニキビ毛穴周囲にできる小さい粉瘤とは見分けにくい場合がある
毛嚢炎・せつ毛包を中心に炎症する赤く腫れた粉瘤と似ることがある
脂肪腫皮下にできる良性腫瘍粉瘤とは内部の構造が異なる
リンパ節の腫れ首・脇・鼠径部などにみられる皮膚由来の粉瘤とは異なる
石灰化上皮腫硬いしこりとして触れることがある特に若い方などで鑑別が必要になる
ガングリオン関節や腱鞘の周囲にできる手首などに多くみられる
その他の皮膚腫瘍種類によって特徴が異なる診察や検査による鑑別が必要
悪性腫瘍種類によって特徴が異なる自己判断せず診察が必要

ニキビ

ニキビは毛穴に皮脂や角質がたまり、炎症などを起こすことで生じます。

小さな粉瘤はニキビのように見えることもありますが、粉瘤では皮膚の内側に袋状の構造が形成され、その中に角質などがたまっています。

  • ディフェリンゲル
  • デュアック配合ゲル
  • ペピオゲル
  • エピデュオゲル

皮膚科でのニキビ治療は、重症化している場合における合併症などの検査の他、市販では出せない濃度の外用薬や内服薬などを処方することが可能です。

ニキビ治療は時間と根気のいる治療ですが、あきらめずに治療を続けていくことが大切です。

毛嚢炎・せつ

毛嚢炎は毛包に炎症が起こった状態で、赤みや腫れ、痛み、膿などがみられることがあります。

炎症した粉瘤も赤く腫れるため、見た目だけでは区別しにくい場合があります。

毛嚢炎の治療法は、局所的な治療が主な方法となります。

症状が軽い場合には、患部を清潔に保ちながら、必要に応じて炎症を鎮める軟膏を使用して炎症の改善を図ります。一方、腫れや痛みが強く、内部に膿がたまっている場合には、切開して膿を排出する処置が必要になることがあります。膿を適切に排出することで、腫れや痛みの改善につながります。

せつ、ようの治療法は、まずは抗生物質による内服薬の処方が一般的です。せつようが大きくなってしまった場合は、切開して膿を取り除きます。

脂肪腫

脂肪腫は、皮下に脂肪細胞が増殖してできる良性腫瘍です。

粉瘤のような袋の中に角質がたまる病気ではなく、内部の構造が異なります。一般的には柔らかいしこりとして触れることが多いですが、触った感覚だけで確実に判断することはできません。

脂肪腫の治療法は、局所麻酔をし腫瘍上の皮膚を切開し脂肪腫をきれいに取り除きます。

リンパ節の腫れ

首や脇、鼠径部などのしこりは、リンパ節が腫れている可能性もあります。

粉瘤は皮膚・皮下にできるのに対して、リンパ節は身体の内部に存在する組織です。特に首などでは、しこりの位置や深さを含めて診断する必要があります。

炎症による場合は抗生剤や抗炎症剤、またはステロイドを使って炎症を落ち着かせます。基本的には1〜2週間で改善していく方がほとんどです。

石灰化上皮腫

石灰化上皮腫は、皮膚の下に硬いしこりとして触れることのある良性腫瘍です。

子どもや若い方にもみられ、頭部や首、上肢などにできることがあります。粉瘤と似て見える場合があるため、診察による鑑別が必要です。

治療法は、局所麻酔で外科的に切開し切除します。日帰り手術が可能です。

ガングリオン

ガングリオンは、関節や腱鞘の周囲にゼリー状の内容物がたまってできるしこりです。

特に手首や手指などにみられます。皮膚から発生する粉瘤とは異なるため、できた場所も診断の手がかりになります。

保存的治療法では、ガングリオンに針を刺して注射器で吸引して内容物を排出いたします。何度が吸引が必要な場合もあります。

保存療法を何度も受けて再発を繰り返す場合は手術を検討します。

悪性腫瘍

しこりの中には、まれに悪性腫瘍など粉瘤とは異なる病気が含まれることもあります。

急速に大きくなる、出血や潰瘍を繰り返す、硬く動きにくいなど気になる変化がある場合はもちろん、粉瘤かどうか判断できない場合にも、自己判断せず医療機関を受診することが大切です。

粉瘤じゃなかった場合に考えられるできもの・しこりができたら何科にいくべき?

皮膚や皮下にできたしこりで、粉瘤かどうか分からない場合は、まずは皮膚科や形成外科への受診を検討しましょう。

ニキビや毛嚢炎、粉瘤などの皮膚疾患であれば皮膚科、粉瘤や脂肪腫などで摘出手術が必要な場合には形成外科で対応できることがあります。

ただし、しこりの場所や状態によって適切な診療科は異なります。首・脇・鼠径部などではリンパ節の腫れが考えられるほか、手首付近のしこりではガングリオンなどの可能性もあり、内科や整形外科など他の診療科での診察が必要になる場合もあります。

「何のしこりか分からないから受診できない」と考える必要はありません。まず医療機関で診察を受け、必要に応じて適切な診療科や検査へつなげてもらうことが大切です。

まとめ|「粉瘤だと思う」で自己判断せず、できものの種類を確認することが大切

粉瘤は比較的よくみられる皮膚腫瘍ですが、皮膚や皮下にできるしこりがすべて粉瘤というわけではありません。

ニキビ、毛嚢炎、脂肪腫、リンパ節の腫れなど、粉瘤と似て見えるできものもあります。

また、典型的な粉瘤の特徴がみられないケースもあるため、見た目やインターネット上の画像だけで判断することは困難です。

特に、

「粉瘤だと思っているが診断を受けたことがない」
「以前からあるしこりが大きくなってきた」
「何度も同じ場所が腫れる」

といった場合は、一度医療機関で診断を受けることをおすすめします。

当院では名古屋で粉瘤をはじめとする皮膚・皮下のできものの診察・治療を行っています。粉瘤かどうかわからない場合も、まずは診察でできものの状態を確認します。