皮膚にしこりや赤いできものができた際に、

「粉瘤なのか毛嚢炎なのかわからない」
「どちらも似ている気がする」
「病院は何科を受診すればいいの?」

と悩まれる方は少なくありません。

実際、粉瘤と毛嚢炎はどちらも皮膚に発生し、

  • 赤く腫れる
  • 痛みが出る
  • 膿がたまる

といった共通点があるため、見分けるのが難しい場合があります。

毛嚢炎は毛穴の感染症ですが、粉瘤は皮膚の下にできた袋(嚢腫)が原因となる病気で治療方法が全く異なります。

この記事では、粉瘤と毛嚢炎の見分け方や治療方法の違い、受診すべき診療科について皮膚科専門医の視点から詳しく解説します。

粉瘤と毛嚢炎の見分け方

粉瘤と毛嚢炎は似ているように見えても、診察すると特徴的な違いがあります。

見た目・触感

毛嚢炎は毛穴に一致して発生する炎症です。ニキビに似た赤いブツブツとして発症し、

  • 数ミリ程度
  • 中心に毛が見える
  • 浅い位置に存在する

ことが多くあります。

一方、粉瘤は皮膚の下に袋ができる病気で、

  • コリコリしたしこりとして触れる
  • 皮下に硬い塊がある
  • 中央に黒い点(開口部)が見えることがある

という特徴があります。

また、炎症がない粉瘤は赤くならないことも少なくありません。

痛み

毛嚢炎は炎症そのものが病気であるため、比較的早い段階から痛みが出ます。

特に、

  • 押した時に痛い
  • 擦れると痛い

という症状がよくみられます。

一方、粉瘤は炎症が起きるまでは痛みがないことが多く、数か月~数年しこりだけの状態で経過することもあります。

その後、

  • 感染
  • 内容物の漏出

によって炎症が起こると急激に痛みが出ます。

臭い

臭いは粉瘤を疑う重要な所見の一つです。

粉瘤の内容物は、

  • 角質
  • 皮脂
  • 細菌の分解産物

から構成されており、独特の強い悪臭を伴うことがあります。特に内容物が自然排出された際に、「チーズの腐ったような臭い」と表現されることがあります。

一方、毛嚢炎では膿が出ることはありますが、粉瘤ほど特徴的な悪臭は通常ありません。ただし臭いだけで診断できるわけではないため、最終的には医師による診察が必要です。

粉瘤と毛嚢炎の治療方法の違い

原因が異なるため、治療方法も大きく異なります。

粉瘤

粉瘤の原因は、皮膚の下にできた袋(嚢腫)です。

そのため、

  • 抗生剤
  • 軟膏

で炎症を改善することはできても、袋そのものを消すことはできません。

根本的に治すためには、

  • くり抜き法
  • 切除法

による袋摘出手術が必要になります。炎症が強い場合には、まず切開排膿を行い、その後に根治手術を行うこともあります。

毛嚢炎

毛嚢炎は毛穴に細菌が感染して起こる病気です。

そのため、

  • 抗菌薬の塗り薬
  • 抗生剤の内服

で改善することが多くあります。軽症であれば自然治癒することもありますが、繰り返す場合や悪化する場合には医療機関での治療が必要です。

粉瘤or毛嚢炎が出来たら何科に受診すべきか

皮膚科

皮膚科では、

  • 毛嚢炎
  • ニキビ
  • 湿疹
  • 感染症

の診療を得意としており、抗生剤や外用薬による治療を中心に行います。皮疹によっては判断が難しい場合もあるため、何が原因のできものか悩んだ場合は皮膚科で診断を受けるのが良いでしょう。

施設によっては手術に対応していない場合もありますが、あいちビューティクリニックでは粉瘤手術にも対応しています。

形成外科

形成外科では、

  • 粉瘤
  • 毛嚢炎
  • 脂肪腫
  • 皮膚腫瘍

など幅広い皮膚・皮下病変を診察できます。

特に粉瘤が大きかったり再発している症例での根治手術は形成外科が適しています。

Q&A

粉瘤や毛嚢炎は放置してたら自然になくなりますか?病院にいかず市販の塗り薬で直るのでしょうか?

毛嚢炎は軽症であれば自然治癒することがあります。市販薬で改善するケースもあります。一方、粉瘤は袋が残るため自然に消失することはほとんどありません。一時的に小さくなっても再発することが多く、根治には手術が必要になります。

Vゾーンに粉瘤or毛嚢炎が出来てしまったのですが、生理が来てしまったので終わってからでないと診察は厳しいでしょうか?

基本的には生理中でも診察可能です。

特に、

  • 痛みが強い
  • 腫れが大きい
  • 膿が出ている

場合には早めの受診をおすすめします。診察方法は部位や症状によって調整できますので、遠慮なくご相談ください。

肛門付近に小さなしこり(毛嚢炎なのか粉瘤なのか分からないできもの)があります。場所が場所なだけに形成外科や皮膚科ではなく、肛門科に行くべきでしょうか?

肛門周囲では、

  • 粉瘤
  • 毛嚢炎
  • 肛門周囲膿瘍
  • 痔瘻

など様々な病気が考えられます。肛門に近い場合は肛門科が適していることもありますが、皮膚由来の病変であれば形成外科や皮膚科でも診察可能です。自己判断が難しい部位ですので、まずは専門医の診察を受けることをおすすめします。

まとめ

粉瘤と毛嚢炎は見た目が似ていますが、

  • 粉瘤は袋が原因の病気
  • 毛嚢炎は毛穴の感染症

という大きな違いがあります。

毛嚢炎は薬で改善することがありますが、粉瘤は袋を摘出しなければ根治しません。しこりやできものが繰り返しできる場合や、痛みや腫れが続く場合は自己判断せず、皮膚科や形成外科を受診して正確な診断を受けることが大切です。

皮膚の炎症やできもので悩んだ場合はあいちビューティークリニックにご相談ください。