「デリケートゾーンにしこりができたけど、これって粉瘤?」
「痛くない小さなできものでも受診した方がいい?」
「ニキビやおできとの違いは?

粉瘤は良性のしこりで、硬くコリコリとした触感で皮膚の下に袋を形成しその中に、皮脂や垢が溜まって内容物が大きくなります。炎症を起こして赤く腫れたりすることがあります。

また、デリケートゾーンには毛嚢炎やバルトリン腺嚢胞・膿瘍、性器ヘルペス、尖圭コンジローマなど、粉瘤と間違えやすいさまざまなできものがあります。

この記事では、デリケートゾーンにできた粉瘤の症例画像をケースごとに紹介し、粉瘤の状態や実際に行った治療について解説します。

デリケートゾーンの粉瘤の特徴

デリケートゾーンは皮脂が多く、摩擦、蒸れやすい場所ですので粉瘤ができやすい部位の一つです。粉瘤は皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質などがたまることで、しこりとして触れるようになります。

初期には痛みがないことも多く、中央に黒い点のような開口部がみられる場合があります。徐々に大きくなったり、炎症を起こすと赤く腫れて痛みや膿が生じたりすることもあります。

また、デリケートゾーンは下着で隠れており見えにくく、「ただのニキビやおできだろう」と思って様子を見ていたものが、実際には粉瘤だったということもあります。

小さい粉瘤

術前
デリケートゾーンにできた比較的小さな粉瘤です。小さくても皮膚の下にしこりとして触れることがあります。

術後
粉瘤の袋を含めて摘出し、傷口を丁寧に縫合しました。

摘出した粉瘤の袋
実際に摘出した粉瘤の袋(嚢胞壁)です。小さな粉瘤でも袋が残っていると再び大きくなる可能性があるため、袋を含めて摘出します。

炎症した粉瘤

術前
デリケートゾーンにできた粉瘤が炎症を起こし、赤みや腫れがみられる状態です。

術後
炎症の程度や周囲の組織の状態を確認しながら粉瘤を摘出し、傷口を丁寧に縫合しました。

摘出した粉瘤の袋
実際に摘出した粉瘤の袋(嚢胞壁)です。炎症を起こした粉瘤は袋が周囲の組織と癒着したり、破れやすくなったりすることがあるため、慎重に摘出します。

デリケートゾーンによくできる他のできものとの違い

デリケートゾーンのできものやしこりは、炎症、細菌・ウイルス感染、良性腫瘍などさまざまな原因が考えられます。

毛嚢炎

毛穴の奥にある毛包に炎症が起こる疾患です。毛穴を中心に小さな赤いぶつぶつや、白〜黄色っぽい膿を伴うできものが現れることがあります。

カミソリなどによる自己処理や摩擦、蒸れなどがきっかけになることもあります。粉瘤のように皮膚の下に袋状の構造ができる病変ではありません。

バルトリン腺嚢胞・膿瘍

女性の腟口付近にあるバルトリン腺の出口が詰まり、液体がたまってできる嚢胞です。感染して膿瘍になると、大きく腫れて強い痛みを伴うことがあります。

腟口付近にできるという特徴があり、皮膚にできる粉瘤とは発生する場所や仕組みが異なります。

性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルスによる感染症です。性器やその周辺に小さな水ぶくれやただれが現れ、痛みやヒリヒリ感を伴うことがあります。

粉瘤は皮膚の下のしこりとして現れることが多いため、病変の現れ方が異なります。

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)による性感染症です。

性器や肛門周辺にイボ状のできものが現れ、複数できたり、集まってカリフラワー状に見えたりすることがあります。皮膚の下に丸いしこりができる粉瘤とは見た目が異なります。

接触性皮膚炎(かぶれ)

下着や生理用品、洗浄剤などによる刺激やアレルギーによって起こります。

赤みやかゆみ、ヒリヒリ感などが広い範囲に現れることが多く、粉瘤のような皮下のしこりが主な症状ではありません。

尿道カルンクル

主に女性の尿道口に生じる赤い隆起性の病変です。出血や痛み、違和感を伴うことがあります。皮膚の下にできる粉瘤とは異なり、尿道口という特徴的な場所に生じます。

まとめ

デリケートゾーンにも粉瘤はできることがあり、皮膚の下にしこりとして触れたり、炎症を起こすと赤く腫れて痛みや膿が生じたりすることがあります。

ただし、デリケートゾーンのできものは、毛嚢炎やバルトリン腺嚢胞・膿瘍、性器ヘルペス、尖圭コンジローマなど、粉瘤以外の可能性もあります。 見た目だけで正確に判断することは難しいため、自己判断で潰したり薬を塗り続けたりすることは避けましょう。

粉瘤を根本的に治療する場合は、状態に応じて袋を含めた摘出手術を行います。

しこりが大きくなっている、赤く腫れて痛い、膿や出血がある、同じ場所で繰り返しているといった場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。