【症例画像あり】背中の粉瘤の特徴!他のできものとの違いを皮膚科専門医が解説
背中は、粉瘤ができやすい部位の一つです。
粉瘤は良性のしこりで、硬くコリコリとした触感で皮膚の下に袋を形成しその中に、皮脂や垢が溜まって内容物が大きくなります。炎症を起こして赤く腫れたりすることがあります。
また、背中にできるしこりには、脂肪腫やニキビ、毛嚢炎(毛包炎)など、粉瘤と間違えやすいできものもあります。そのため、見た目だけで粉瘤と自己判断するのは難しい場合があります。
この記事では、背中にできた粉瘤の症例画像をケースごとに紹介し、粉瘤の状態や実際に行った治療について解説します。
背中の粉瘤の特徴

背中は粉瘤ができやすい部位の一つです。粉瘤は皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質などがたまることで、しこりとして触れるようになります。
初期には痛みがないことも多く、中央に黒い点のような開口部がみられる場合があります。徐々に大きくなったり、炎症を起こすと赤く腫れて痛みや膿が生じたりすることもあります。
また、背中は自分では見えにくいため、ある程度大きくなってから気づいたり、家族などに指摘されて初めて気づいたりするケースもあります。
小さい粉瘤

術前
背中にできた比較的小さな粉瘤です。皮膚の下に小さなしこりがみられます。

術後
粉瘤を摘出し、傷口を丁寧に縫合しました。

摘出した粉瘤の袋
実際に摘出した粉瘤の袋(嚢胞壁)です。小さな粉瘤でも袋が残っていると再び大きくなる可能性があるため、袋を含めて摘出します。
炎症性粉瘤の切開排膿

処置前
背中の粉瘤が強い炎症を起こし、赤みや腫れ、膿がたまっている状態です。

切開・排膿後
炎症した部分を切開し、内部にたまった膿や内容物を排出しました。傷口の状態を確認しながら処置を行います。
切開・排膿は炎症を落ち着かせるための処置であり、粉瘤の袋が残っている場合は再発する可能性があります。炎症が落ち着いた後、必要に応じて袋を摘出する手術を検討します。
軽度の炎症がある粉瘤

術前
背中にできた粉瘤で、軽度の赤みや炎症がみられる状態です。

術後
粉瘤の状態を確認しながら、袋を含めて摘出し、傷口を縫合しました。

摘出した粉瘤
実際に摘出した粉瘤です。炎症が比較的軽度で、摘出可能と判断した場合には、炎症がある状態でも手術を行うことがあります。
すでに赤みや強い痛みが出ている場合の応急処置や寝方の工夫は『背中の粉瘤が痛い時の対処法』で解説しています。
背中の他のできものとの違い

背中のしこりやできものが、すべて粉瘤とは限りません。代表的なものには、脂肪腫、ニキビ、毛嚢炎(毛包炎)などがあります。
脂肪腫

脂肪腫は、皮下の脂肪組織からできる良性の腫瘍です。一般的にやわらかく、皮膚の下で少し動くようなしこりとして触れ、痛みを伴わないことが多いのが特徴です。
数cm以上まで徐々に大きくなることもあります。粉瘤のような中央の黒い点(開口部)は通常みられません。
ニキビ(尋常性ざ瘡)

ニキビは、毛穴に皮脂や角質が詰まり、炎症を起こすことで生じます。
赤いぶつぶつや膿をもったできものとして現れ、背中に複数できることもあります。
毛嚢炎(毛包炎)

毛嚢炎(毛包炎)は、毛穴の奥にある毛包に炎症が起こった状態です。
毛穴を中心に小さな赤いぶつぶつや、白〜黄色っぽい膿を伴うできものが現れることがあります。
汗や蒸れ、摩擦などがきっかけとなることもあり、背中に複数みられる場合もあります。
まとめ
背中の粉瘤は、小さなしこりから炎症を起こして赤く腫れたものまで、状態はさまざまです。
炎症がない、または比較的軽度で摘出可能な場合には、粉瘤の袋を含めて摘出する手術を行います。一方、炎症が強く膿がたまっている場合には、まず切開・排膿を行い、炎症が落ち着いてから改めて摘出を検討することもあります。
背中は自分では状態を確認しにくいため、しこりが大きくなっている、赤く腫れている、痛みや膿があるといった場合は、自己判断で潰さず医療機関を受診しましょう。