「粉瘤にドルマイシン軟膏を塗れば治る?」
「赤く腫れた粉瘤に使っても大丈夫?」
「市販薬で粉瘤を治すことはできないの?」

ドルマイシン軟膏は、ドラックストアで買える抗生物質を配合した外用薬ですが、皮膚の下にできた粉瘤の袋そのものをなくす作用はないため、ドルマイシン軟膏で粉瘤を根本的に治すことはできません。

この記事では、粉瘤にドルマイシン軟膏を塗っても治らない理由や自己判断で使用するリスク、粉瘤を根本的に治す方法について詳しく解説します。

粉瘤にドルマイシン軟膏を塗っても治らない理由

ドルマイシン軟膏を粉瘤に塗っても、粉瘤そのものを根本的に治すことはできません。

ドルマイシンは市販で買える細菌の増殖を抑える抗菌薬ですが、粉瘤は皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質などがたまることで形成されます。この袋を外科的に取り除かない限り粉瘤は完治しません。

ドルマイシンには2種の抗生物質(バシトラシン・フラジオマイシン)が配合されていて、炎症性粉瘤の軽度の化膿した表面の細菌繁殖を抑える補助的な役割には使えます。

しかし、ドルマイシンには粉瘤の袋を溶かしたり、なくしたりする作用はありません。よって、ドルマイシンを塗ったところで粉瘤は治せません。

粉瘤を根本的に治療する場合は、状態に応じて袋を含めた摘出を検討します。

粉瘤にドルマイシン軟膏といった薬を自己判断で使用するリスク

粉瘤と思われるしこりに、手元に残っているドルマイシン軟膏などの薬を自己判断で使用することはおすすめできません。

ドルマイシンは抗菌薬ですが、すべての細菌に効果があるわけではなく、不必要・不適切な使用は薬剤耐性菌が生じる原因の一つにもなります。

さらに、薬を塗り続けることで受診が遅れ、粉瘤が大きくなったり炎症が悪化したりする可能性もあります。

特に似た名前の「ドルマイコーチ軟膏」があります。

これにはステロイド(ヒドロコルチゾン酢酸エステル)が含まれていて、感染している粉瘤に使用すると免疫を下げてしまい、かえって化膿を悪化させるリスクがあります。

粉瘤が疑われる場合は自己判断で薬を使用せず、医療機関で診断を受け、状態に合った治療を受けることが大切です。

粉瘤を根本的に治療する方法

粉瘤があるからといって、必ずすぐに手術が必要になるわけではありません。

小さく症状がない場合には経過観察となることもあれば、赤みや腫れ、痛みなどがある場合には、まず炎症に対する治療を行うこともあります。

一方、粉瘤そのものの根治を目的とする場合には、内容物だけでなく、皮膚の内側にある袋状の組織(嚢腫壁)を含めて摘出する手術を検討します。

手術方法には、主に「くり抜き法」と「切開法」があります。

くり抜き法

くり抜き法は、粉瘤の表面に小さな穴を開け、そこから内容物と袋状の組織を摘出する方法です。

切開範囲を比較的小さくできる場合がありますが、すべての粉瘤に適しているわけではありません。

粉瘤の大きさや位置、炎症・癒着などの状態を確認したうえで適応を判断します。

切開法

切開法は、粉瘤のある部分を切開し、袋状の組織を確認しながら摘出する方法です。

粉瘤が大きい場合や周囲との癒着がある場合など、状態によっては切開法が適していることがあります。

「傷を小さくしたいからくり抜き法」と一律に決めるのではなく、粉瘤の状態に合わせて適切に摘出できる方法を選択することが重要です。

塗り薬で一時的に散らすのではなく、袋ごと摘出する「当日手術の流れ」について詳しくはこちらをご覧ください。

粉瘤とドルマイシン軟膏に関するよくある質問

粉瘤らしきしこりにドルマイシンを塗ると痛みが治まりました。病院に行かず様子を見ても大丈夫ですか?

ドルマイシンを塗った後に赤みや痛みが軽くなったとしても、粉瘤そのものが治ったとは限りません。

粉瘤の場合、皮膚の下にある袋が残っていると、しこりが残ったり、同じ場所で再び炎症を起こしたりすることがあります。

特に、一度治まった後に同じ場所が再び腫れている場合は、自己判断でドルマイシンを塗り続けるのではなく、皮膚科や形成外科を受診して診断を受けることをおすすめします。

炎症を起こした粉瘤はドルマイシンなどの塗り薬だけで治せますか?

ドルマイシンは抗生物質を配合した外用薬ですが、粉瘤の袋をなくす作用はありません。そのため、塗り薬だけで粉瘤を根本的に治すことはできません。

炎症の程度によっては、内服薬や切開・排膿などの処置が必要になることもあります。

抗生物質の内服で体調が悪くなった経験がある場合は、そのことを診察時に医師へ伝えましょう。薬の種類や治療方法を含めて検討してもらうことが大切です。

デリケートゾーンにできた粉瘤にドルマイシンは有効ですか?

デリケートゾーンにできたしこりが粉瘤だった場合でも、ドルマイシンで粉瘤そのものを治すことはできません。

また、デリケートゾーンには毛嚢炎や化膿性汗腺炎、バルトリン腺嚢胞、性感染症など、粉瘤以外のできものが生じることもあります。

自己判断でドルマイシンを塗り続けず、しこりが治らない、腫れや痛みがある、繰り返している場合は医療機関で診察を受けましょう。

炎症していない粉瘤の化膿予防にドルマイシンやゲンタシンを塗ってもいいですか?

炎症していない粉瘤に、化膿を予防する目的でドルマイシンやゲンタシンなどの抗菌薬を自己判断で使用することはおすすめできません。

どちらも粉瘤の袋をなくす薬ではなく、塗っておけば粉瘤の炎症や破裂を確実に予防できるわけでもありません。

また、抗菌薬は必要のない状態で漫然と使用するのではなく、症状や感染の有無を確認したうえで適切に使用することが重要です。

粉瘤が2.5cm程度まで大きくなっている、硬くなっているなど気になる変化がある場合は、炎症を起こす前に皮膚科や形成外科へ相談することをおすすめします。

まとめ

ドルマイシン軟膏は抗生物質を配合した外用薬ですが、粉瘤の袋そのものをなくす作用はないため、ドルマイシンだけで粉瘤を根本的に治すことはできません。

塗った後に赤みや痛みが軽くなったとしても、皮膚の下に袋が残っていれば、しこりが残ったり再び炎症を起こしたりする可能性があります。

また、粉瘤だと思っていたものが毛嚢炎やニキビなど、別のできものであることもあります。特に、腫れや痛みを繰り返す、しこりが大きくなる、膿や出血がみられる場合は、自己判断で市販薬を使い続けず医療機関を受診しましょう。

粉瘤を根本的に治療する場合は、状態に応じて袋を含めた摘出手術を検討します。ぜひあいちビューティークリニックへお越しください