首に粉瘤ができる原因と治し方!首のしこりは何科?手術方法も解説
「首に粉瘤ができたのはなぜ?」
「首の粉瘤は自然に治る?手術が必要?」
「首の粉瘤を取ると傷跡が目立たないか心配」
首に粉瘤ができると、原因や治し方、手術の必要性などが気になる方も多いでしょう。
この記事では、首に粉瘤ができる原因から、くり抜き法・切開法による治療方法、手術の傷跡、術後の注意点まで詳しく解説します。
首に粉瘤ができる原因

粉瘤は、皮膚の内側に袋状の構造が形成され、その中に角質などがたまることでできます。
首にできる粉瘤も基本的な仕組みは同じで、明確な原因を特定できないことも少なくありません。
毛穴などをきっかけに形成

粉瘤の代表的なタイプである表皮嚢腫は、毛包などの皮膚組織に由来して形成されると考えられています。
皮膚の下に袋状の構造ができ、その内部に剥がれ落ちた角質などが少しずつ蓄積することで、しこりとして徐々に大きくなっていきます。
見た目がニキビと似ていることもありますが、毛穴に皮脂などが詰まることで生じるニキビとは、できる仕組みが異なります。
外傷などをきっかけにできることも

外傷などをきっかけに、皮膚表面の表皮成分が皮膚の内側へ入り込み、粉瘤が形成されることがあります。
ただし、すべての粉瘤に明確なきっかけがあるわけではありません。
首の皮脂腺や汗が多い

首やうなじ、髪の生え際は皮脂腺が多く皮脂や古い角質が溜まりやすいです。
毎日きれいに洗っていても粉瘤ができることはあります。
また、すでにできている粉瘤は、洗浄や皮脂ケアだけでなくなることはありません。
首へ衣服ネックレス等の摩擦

首はシャツの襟やネックレスなどが当たるため、慢性的に摩擦・刺激を受けることがあります。
繰り返し刺激が首に加わることで、外傷が生じ皮膚の中で袋ができやすくなってしまいます。
一方、すでに粉瘤がある部分に繰り返し刺激が加わると、痛みや違和感が気になることもあります。
首にしこりがある場合は、原因を自己判断せず、まず粉瘤なのかほかのしこりなのか診断を受けることが大切です。
首の粉瘤は何科を受診すればいい?

首の皮膚や皮下に粉瘤と思われるしこりがある場合は、皮膚科や形成外科などが受診先の選択肢になります。
粉瘤の診断だけでなく摘出まで希望する場合は、粉瘤の日帰り手術に対応している医療機関を選ぶとスムーズです。
ただし、首にできるしこりがすべて粉瘤とは限りません。
首の場合は、
- 皮膚表面のできものなのか
- 皮下にできたしこりなのか
- リンパ節の腫れなど別の原因なのか
によって、必要な診察や検査、適切な診療科が異なることがあります。
まずは医療機関で診察を受け、粉瘤なのか、ほかの原因によるしこりなのかを確認することが大切です。
首の粉瘤は手術で摘出できます

粉瘤を根本的に治療する場合には、中にたまった内容物を出すだけではなく、袋状の組織(嚢腫壁)を含めて摘出します。
内容物だけを排出しても袋状の組織が残っていると、再び角質などがたまり、しこりが大きくなる可能性があります。
当院では、粉瘤の大きさや位置、炎症・癒着の程度などを確認し、状態に応じてくり抜き法または切開法を選択します。
くり抜き法

くり抜き法は、粉瘤の表面に小さな穴を開け、そこから内容物と袋状の組織を摘出する方法です。
切開範囲を比較的小さくできる場合がありますが、すべての首の粉瘤に適しているわけではありません。
粉瘤が大きい場合や炎症・癒着が強い場合などは、切開法が適していることがあります。
切開法

切開法は、粉瘤のある部分を切開し、袋状の組織を確認しながら摘出する方法です。
粉瘤の大きさや炎症・癒着の状態などに応じて切開する範囲を検討し、必要に応じて縫合します。
首は人目につきやすい部位でもあるため、粉瘤を適切に摘出することに加えて、傷跡にも配慮しながら手術方法や切開位置を検討します。
「首の粉瘤だからくり抜き法」などと一律に決めるのではなく、実際の状態に合わせて適切な方法を選択することが大切です。
首の粉瘤の手術症例
術前

首にしこりがみられ、診察の結果、粉瘤と診断しました。
粉瘤の大きさや位置、炎症・癒着の状態などを確認し、今回はくり抜き法が適していると判断しました。
摘出

内容物だけでなく、袋状の組織(嚢腫壁)を含めて摘出しました。
術後

首は衣類の襟が触れやすく、曲げる・回すなど日常的によく動かす部位です。
また、人目につきやすい場所でもあるため、首の動きや傷跡にも配慮しながら、切開する位置や範囲を検討して手術を行います。
首の粉瘤手術の費用

首の粉瘤は、治療目的で摘出する場合、健康保険が適用されます。
実際の費用は、粉瘤の大きさや手術内容、保険の自己負担割合などによって異なります。
3割負担・1割負担の手術費用
首の粉瘤を摘出する場合の手術費用の目安は以下のとおりです。
| 切除した粉瘤の直径の合計 | 3割負担 | 1割負担 |
|---|---|---|
| 2cm未満 | 5,000~6,000円程度 | 2,000円程度 |
| 2cm~4cm | 11,000~12,000円程度 | 4,000円程度 |
| 4cm以上 | 13,000~14,000円程度 | 4,500円程度 |
※粉瘤の大きさや手術内容によって費用は異なります。
※首の粉瘤の保険上の区分・算定については、実際の診察・手術内容に基づいて決定します。
病理検査
摘出した組織は、粉瘤であることやほかの病変がないことを確認するため、病理検査を行う場合があります。
病理検査を行った場合には、手術費とは別に3,000円程度検査費用がかかります。
薬代・診察料など
手術費のほかに、初診料・再診料、処方薬などの費用が別途必要になる場合があります。
そのため、実際の窓口負担額は、粉瘤の大きさや手術内容、当日に行った検査・処方などによって異なります。
詳しい費用については、当院の料金ページをご確認ください。
粉瘤と似ている首にできるしこりとの違い

首にコリコリしたしこりがあると粉瘤を疑う方もいますが、「首にしこりがある=粉瘤」とは限りません。
首にはリンパ節もあり、脂肪腫や毛嚢炎など、粉瘤以外の原因でしこりを触れることもあります。
脂肪腫
脂肪腫は、皮下の脂肪組織から発生する良性の腫瘍です。
一般的には、皮膚の下にやわらかいしこりとして触れることが多く、ゆっくりと大きくなることがあります。
ただし、触った感触だけで粉瘤と脂肪腫を確実に見分けることはできません。
詳しく知りたい方は、「粉瘤と脂肪腫の違い」もあわせてご覧ください。
毛嚢炎・おでき
毛嚢炎やおできは、毛穴を中心に炎症が起こり、赤みや腫れ、痛みなどが現れることがあります。
炎症を起こした粉瘤も赤く腫れて痛むことがあるため、見た目が似ている場合があります。
リンパ節の腫れ
首には多くのリンパ節があり、感染症などに伴って腫れ、しこりとして触れることがあります。
粉瘤は皮膚・皮下にできるしこりですが、しこりの位置や硬さ、動き方などを自分で確認するだけでは、リンパ節の腫れと正確に見分けることは困難です。
首のしこりが長く続いている、徐々に大きくなっているなどの場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。
首の粉瘤についてよくある質問

首にコリコリしたしこりがあります。粉瘤でしょうか?リンパ節の腫れでしょうか?
粉瘤の可能性はありますが、触った感触だけで粉瘤とリンパ節の腫れを見分けることは困難です。
首にはリンパ節があるほか、脂肪腫など別のしこりができることもあります。長く続いている、徐々に大きくなっているなどの場合は、自己判断せず診察を受けましょう。
首の後ろ・うなじにも粉瘤はできますか?
はい。粉瘤は首の前側だけでなく、首の後ろやうなじにもできることがあります。
ただし、首の後ろにできたしこりがすべて粉瘤とは限らないため、実際に診察して判断する必要があります。
首の粉瘤が急に痛くなったのはなぜですか?
粉瘤に炎症が起こると、急に赤く腫れたり、痛みが出たりすることがあります。
炎症が強くなると腫れや痛みが増すこともあるため、自分で潰さず早めに受診しましょう。
首の粉瘤から臭い膿が出ました。自分で絞っても大丈夫ですか?
自分で絞ったり潰したりすることはおすすめできません。
内容物が出てしこりが小さくなっても、皮膚の内側に袋状の組織が残っていれば、再び内容物がたまる可能性があります。また、無理に触ることで炎症が悪化することもあります。
首の粉瘤は放置しても大丈夫ですか?
小さく症状のない粉瘤では経過観察となることもありますが、自然になくなるとは限りません。
徐々に大きくなったり、炎症を起こして赤みや痛みが出たりすることもあります。また、そもそも粉瘤ではない可能性もあるため、気になるしこりがある場合は一度診察を受けることをおすすめします。
首の粉瘤は薬だけで治りますか?
すでに形成された粉瘤の袋状の組織を、薬だけでなくすことはできません。
炎症や感染が疑われる場合には薬を使用することがありますが、粉瘤そのものを根本的に治療する場合は、袋状の組織を含めた摘出を検討します。
首の粉瘤手術では傷跡が目立ちますか?
手術をする以上、傷跡が完全になくなるわけではありません。
傷跡の大きさや目立ち方は、粉瘤の大きさや位置、炎症・癒着の程度、術式などによって異なります。首は人目につきやすい部位のため、傷跡にも配慮しながら切開位置や手術方法を検討します。
首の粉瘤を手術した後は普通に首を動かせますか?
日常的な動作は可能なことが多いですが、手術直後は傷口に強い力がかからないよう注意が必要です。
首を大きく曲げる・ひねるなどの動きによって傷口が引っ張られることもあるため、手術した位置や傷の大きさに応じて医師の指示に従いましょう。
首の粉瘤手術をした日に仕事はできますか?
デスクワークなど身体への負担が少ない仕事であれば、手術当日から可能な場合もあります。
一方、首を頻繁に動かす仕事や力仕事、汗を多くかく仕事などは、傷口への負担を考えて休んだほうがいいです。
仕事復帰のタイミングは、粉瘤の大きさや手術部位、仕事内容などを踏まえて判断します。
まとめ|首のしこりが粉瘤かどうか、まず診断を受けることが大切です
首にできるしこりの一つに粉瘤があります。
粉瘤は皮膚の内側に袋状の構造が形成され、その中に角質などがたまることで徐々に大きくなる良性の皮膚腫瘍です。
一方、首には、
- リンパ節の腫れ
- 脂肪腫
- 毛嚢炎・おでき
- その他の皮膚・皮下のできもの
など、粉瘤以外の原因でしこりを触れることもあります。
そのため、
「首にしこりがある=粉瘤」
と自己判断するのではなく、まず診断を受けることが重要です。
当院では、首を含む粉瘤の診察・日帰り手術を行っており、大きさ・位置・炎症・癒着などを確認したうえで、くり抜き法または切開法から適した治療方法を検討します。
「首にしこりがある」
「粉瘤なのかリンパ節なのか分からない」
「首なので手術後の傷跡が気になる」
という方もご相談ください。